フォークリフトで、荷物の段積みが上手くできない。荷物を倒しそうで怖い・・・
- 段積みのコツが、知りたい
- 荷物の重ね方が、分からない
- 段積みの傾く理由が、分からない
倉庫では、保管効率を上げるため『段積み』をします。重ね方を間違えると、荷物の倒壊や破損の危険があります。
段積みが苦手だったボクは、10年間の実戦でコツを学んできました。
✔︎段積みのコツが分かると、以下のようなスキルが身につきます。
- 保管効率を上げることができる
- 作業を早く、安全にできる
- リフト操作の精度が上がる
※この記事では、ボクが10年間学んできたリフトの【積み付けのコツ】を全て解説します。
※この記事を読むと、実戦で使える安全な積み付けが分かります。
危険ポイントも解説します
段積みの3つの注意点
- 同じ荷物を重ねる
- 重い荷物を下にする
- 硬い荷物を下にする
✔︎土台の荷物に注意します。
土台の荷物が押し潰されると、荷物が傾き『倒壊』の危険があります。
安全な積み付けで引き継ぎます
同じ荷物を重ねること
荷物にケアマークが記載されています。ケアマークは、荷物の扱い方が記載されています。
✔︎ケアマークの記載情報
- 段数の指定
- 荷物の性質(コワレモノ等)
- 水濡れ注意
- 上面の向き
段積みする場合、荷物の段数に注意します。
✔︎指定の段数以上重ねると、箱が潰れて危険です。
⬆︎写真の場合だと3段です。
重い荷物を下にする
✔︎重い荷物を下にする理由
- 上が重い荷物だと、下の荷物が潰れてしまう
- 上が重い荷物だと、重心が高くなる
重い荷物は下にすると、安定します。
硬い荷物を下にする
✔︎硬い荷物を下にする理由
- 強度があるから
※重みで潰れる危険が、少ないです。
硬いけどデリケートな荷物もあります
段積みのコツ【下にする荷物】と【上にする荷物】
✔︎下にする荷物の3つの特徴
- 重い荷物
- 硬い荷物
- 大きい荷物
✔︎上にする荷物の3つの特徴
- やわらかい荷物
- 軽い荷物
- 上が平らでない荷物
ピッキングや積み込みでも、応用できます
積み方の種類
荷物の大きさや形に適した積み方を、解説します。
✔︎ベストな積み方
- 安定する積み方
- 数が数えやすい積み方
- 製造ロットの記載が、見やすい積み方
※ピッキングとロット管理、棚卸しの効率が上がります。
ブロック積み(平積み)
全て、同じ向きで積み上げる方法です。
- 耐圧強度が、高い
- 横揺れに、弱い
- ロットが、見やすい
⬆︎画像の場合⬆︎
- 1段目が、ピッキング場
- 2段目が、バックストック
※2段目は、ストレッチフィルムを巻いて荷崩れを防ぎます。
【棒づみ】ともいいます
交互列積み(インターロック積み)
一段ごとに、90度反転して積む方法です。荷物が噛み合うので、ブロック積みより安定します。
✔︎交互列積みの特徴
- 長方形の荷物と、相性がいい
- 横揺れに、強い
- ロットが、見にくい
『ハイを組む』といいます
ピンホール積み(風車積み)
中に空洞ができる積み方です。長い荷物や、ロットが外から見える積み方です。
ロットが見えるので、在庫管理がしやすいです。
中の空洞に荷物が落ちると、棚卸しが合いません
ラックを活用する
ラックに入れる荷物
- 重ねられない荷物
✔︎ラックの高さをよく確認して格納します。
ラックの注意点があります
段積みの高さの、3つの注意点
倉庫内で、高さを見誤ると危険です。注意点を解説します。
天井の高さの注意点
高く段積みすると、保管効率は上がります。
しかし、天井の高さは一定で無い場合が多いです。
✔︎天井の高さの注意点
- 天井を支える『柱の高さ』
- 水銀燈などの『照明』
- 非常出口の『案内標識』
※これらに接触すると『落下』や『商品破損』の危険があります。
接触しないようレイアウトを、工夫します
防火シャッターの注意点
防火シャッターがある場所では、天井が低くなっています。
- 防火シャッターの『格納場所』
- スパン分けされた倉庫の『継ぎ目』
倉庫の継ぎ目でリフトが接触すると、危険です。建物を破損し、最悪の場合リフトが『転倒』します。
ツメが下がったのを確認してから、移動する
ハイバックレストのリフトの注意点
✔︎ハイバックレストのリフトは高所作業で注意点があります。
- 運んでいる荷物よりバックレストが、高い場合
荷物より先に、バックレストが接触します。
ハイバックレスト車は、バックレストの高さに注意!
2段積み走行が危険な3つの理由
慣れてくると、2段積みのまま走行するリフトマンもいます。2段積み走行OKの場合を除いて、荷崩れリスクが大きいです。面倒でも1つずつ確実に運ぶことが、事故防止につながります。2段積み走行で危険要素が、増えます。
✔︎2段積み走行が危険な理由
- バックレストの高さを、超える可能性がある
- 重量がオーバーする可能性がある
- 荷物の転倒の危険性が上がる
これらのリスクが上がるので、多くの事業所で2段走行が禁止されています。
バックレストの高さを超えるリスク
フォークリフトは、荷物をツメですくってバックレストで支えます。バックレストの高さを超えると、支えることができないので、危険です。
リフトの方へ崩れてきます
重量がオーバーする可能性がある
仮に2段走行で無事荷物を運べたとします。そのまま段積みするとリフトの許容重量を超える可能性があります。2段の荷物を段積みする、つまり3段積みする場合などです。
高く上げるとリフトの許容重量が下がる
荷物の転倒の危険性が上がる
荷物はツメの上に乗っているだけなので、旋回時や停車時に遠心力で転倒の危険性が上がります。
最悪、荷物のドミノ倒しになります
同じ荷物の段積みのコツ
段積みをして保管効率を上げる荷物は、1アイテムあたりの数が多い場合があります。ここでは同じ荷物を段積みする際のコツを解説します。
同じ大きさのパレットを使う
✔︎パレットの大きさをそろえる理由
- パレットの大きさが違うと、ズレてくる
- 見た目がキレイ
※パレットは、両面フラットのものがベストです。片面パレットや木パレだと、フラットでない面が荷物に食い込んだりします。
木パレはクギが出ていたりします。
荷物を傷つけないように注意!
パレットの真ん中に積む
✔︎パレットの真ん中よりに荷姿を整える理由
- 真ん中だと、重心が安定する
- パレットからはみ出すと、荷物が食い込み破損する
適正な大きさのパレットを使います
荷物の中心を考える
- 横のズレは、確認しやすい
- 前後のズレは、見落としがち
✔︎特に一番最初に置く荷物は、傾かないよう注意します。
リフトから降りて確認!
まとめ
時間が経って傾いてくると手直しで時間がかかります。最悪の場合、倒壊して事故に繋がります。
段積みする前の少しの手間で、事故を防ぐことができます。
✔︎注意点をまとめます。
- 段積みする場合、できるだけ同じアイテムを重ねる
- 重いものを下にして、軽いものは上に重ねる
- 安定しない荷物は段積みしないほうがいい→ラックに入れるか平置きする
段積み保管の傾きを見つけると早く手直しするのがベストです。
- 左右の傾きは、気付きやすい
- しかし、前後の傾きは気付きにくい
- 荷姿を整え、安定した段積みをする
✔︎色んな荷物の特徴を知ることで、適切に保管することができます。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
それではご安全に!
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